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『アドルフ』

 投稿者:谷 昌親  投稿日:2010年 7月 9日(金)16時03分6秒
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   加葉田さん発表お疲れさまでした。
 『クレーヴの奥方』ほどではないにしても、今回も古い小説でしたので、作者コンスタンの経歴を詳しく説明してもらうことで、作品の背景などが明らかになったかと思います。
 加葉田さんも言っていたように、小説があくまでアドルフの視点から描かれているのに対し、映画のほうは、一人称の語りがあるとはいえ、むしろエレノールの心理や苦しみを浮き彫りにしていまし。これは、映画が女優イザベル・アジャーニを中心に作られているという事情のせいもあるものの、もともと、小説では有効に機能する一人称の語りが、映画では必ずしも語り手の視点に限定するといった効果をもたらさず、アドルフの目に映る他の人物などについての視覚的な情報が豊かになり、むしろそちらのほうが強い印象を観客にあたえるという、メディアによる特徴の違いもあるかと思います。
 そうした意味では、映画では、言葉ではなく俳優の表情で複雑な心理描写を表現していたというのも、大事な指摘だったと思います。

 それにしても、アドルフのような男が主人公や語り手になる小説は、決して稀ではないと思うのですが、現実の社会生活においては、駄目な男として一蹴してしまえそうな人物が小説(あるいは映画)の主人公になるというのは、どうこことでしょうか? そうしたことも考えてみるとおもしろいかもしれません。
 
 
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